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■e IL VIOLONCELLO SUONO〜そしてチェロは奏でられる
18世紀にソロ楽器として光をあびるようになったころの チェロ作品集 ★18世紀にソロ楽器として台頭してきたチェロの声をたどる1枚。18世紀、音楽家たちは自分が書いた作品の楽譜と楽器を携えて、ヨーロッパを旅していました。そうした音楽家たちの作品を取り上げています。 ★18世紀、通奏低音の要であったチェロは次第にソナタ、独奏チェロなどの作品によって光をあびるようになります。ヴィヴァルディも、急速なパッセージなど、ヴァイオリンの技巧をとりいれたパートをチェロのために書きました。アントニオットはミラノで生まれたヴァイオリン奏者で、政治的な理由でイタリアを追われスペイン、フランス、英国、スイスなどの宮廷で活躍しました。パリに居を構えた時に剣で手を負傷、その後チェロに転向しました。パリの聴衆は18世紀もなおヴィオラ・ダ・ガンバの親密でより内省的な音色が好まれており、チェロが台頭してきていることに対して警鐘を鳴らす論文が発表されるなど、彼らがチェロを受け入れるには時間がかかりました。このアントニオットの作品も、コントラスト、執拗なパッセージなど、チェロの楽器の魅力が発揮されるように書かれている一方、当時のパリの人が挙げたチェロの「特徴 (ヴィオラ・ダ・ガンバと比べて、当時のパリの人々にとっては刺激が強すぎた) 」がよくもわるくも見られる作品となっています。また、無伴奏チェロの作品を書いたジュゼッペ・マリア・ダッラーバコは、95歳と長寿 (ボッケリーニと同じ年に亡くなった) ですがバイエルンの宮廷に務めながらも自由に音楽旅行もできたという恵まれた立場で、ギャラント様式および前古典派スタイルをとりながらも、バロックの余韻も色濃く残す作風が魅力です。音楽史的にも音楽的にもきわめて興味深いプログラムとなっています。 ★ハンナ・ザルツェンシュタインは、パリ音楽院でロラン・ピドゥのもとで学び、その後はラ・フォル・ジュルネ音楽祭 (ナント) など音楽祭などで、あるいはパリ音楽院オーケストラのソリストとして、活躍しています。クリストフ・コワンのもとでバロック・チェロを学んだあと、ジュスタン・テイラー、テオティム・ラングロワ・ド・スワルテらとともにル・コンソール (コンソート) を設立。ディヒター・トリオのメンバーでもあります。2023年、アタイールの新作 (3つのチェロとソプラノのための「アフリカの庭」) の初演にも携わりました。 収録情報 曲目・内容 e IL VIOLONCELLO SUONO〜そしてチェロは奏でられる 1. ジュリオ・タリエッティ (1660-1718) :チェロと、スピネットあるいはヴィオローネで弾くアリア・ダ・スオナーレ19番よりアダージョ 2. ジューリオ・デ・ルヴォ (c.1650-c.1716) :シャコンヌ 3. ヴィヴァルディ:チェロと通奏低音のためのソナタ ホ短調 RV40 4. ジュゼッペ・マリア・ダッラーバコ (1710-1805) :独奏チェロのためのカプリッチョI ハ短調 5. ヴィヴァルディ:チェロと通奏低音のためのソナタ 変ロ長調 RV46より「ラルゴ」 6. プラッティ (1607-1763) :チェロと通奏低音のためのソナタ第3番/イ長調より「ラルゴ」 7. ジョルジョ・アントニオット (1681-1776) :チェロと通奏低音のためのソナタ第4番 ニ短調 作品1より「ラルゴ」 8. ダッラーバコ:無伴奏チェロのためのカプリッチョ第4番 ニ短調 9. マルチェッロ (1686-1739) :チェロと通奏低音のためのソナタ第3番 ト短調より「ラルゴ」 10. ガスパロ・ガラヴァリア (18世紀) :チェロと通奏低音のためのソナタ ト短調 11. ダッラーバコ:無伴奏チェロのためのカプリッチョ第4番 ホ短調 12. ヴィヴァルディ:トリオ・ソナタ (ヴァイオリン、チェロと通奏低音) ト長調 RV820 13. ジューリオ・デ・ルヴォ:タランテラ アーティスト(演奏・出演) ハンナ・ザルツェンシュタイン (チェロ) ジュスタイン・テイラー (チェンバロ) ティボー・ルーセル (アーチリュート) アルベリク・ブルノワ (チェロ) テオティム・ラングロワ・ド・スワルテ (ヴァイオリン) マリー=アンジュ・プティ (パーカッション) レコーディング 録音:2023年10月9-13日、パリ、ドイツ福音主義教会